おいしいごはんを炊くためにはいくつかのルールを守って炊飯する必要があります。
正しい炊き方をしていないと、いくら高級な炊飯器を使っていてもおいしく炊くことはできません。
逆を言えば、正しい炊き方でお米を炊けば、それほど高級な炊飯器でなくても、 ふっくらとしたおいしいごはんを炊くことができるのです。
炊飯器も重要ですが、お米の種類も重要です。
お米には様々な種類のものがあり、中にはブレンドされた商品も出ています。
好みのお米を探すために食べ比べをしてみるのも良いかもしれません。
おいしいごはんの決め手はお米半分、炊き方半分と言われています。
どのような炊き方をしたら良いのでしょうか。
正しい分量でお米とお水を準備すること
急いでいるときは米びつからさっとお米をすくって、だいたいの分量で炊いてしまう人も少なくありません。
そうすると、人によってはカップよりも少なく入れる人もいれば多く入れる人も出てきてしまいます。
誤差が出てくることで、必要になってくる水の量も変わり、毎回ごはんの固さが変わってきてしまうため、
お米を準備するときはすりきり一杯で準備するようにしましょう。
一回に炊くごはんの量が多い人ほど、カップの誤差は大きくなってきます。
どのような状況でも正しい分量になるように、カップでお米を測るときはすりきりで準備する癖をつけておくと良いです。
準備したお米をそのまま炊飯器のお釜に入れて洗米する人もいますが、おいしいごはんを炊くためには、手間はかかりますが一度ザルで洗うのがおすすめです。
炊飯器のお釜によっては、内部の塗装がはがれてきてしまうこともあり、炊飯器の寿命を縮めてしまうことにもなります。
塗装がはがれてきてしまうと目盛りが読みづらくなり、正しい位置まで水を入れることが難しくなることもあります。
洗米後の水は水道水ではなく、ミネラルウォーターや浄水器の水を使うと良いでしょう。
日本の水道は世界と比較しても衛生的で、直接飲むことも可能なものですが、それでも消毒用の塩素が含まれているため、
そのまま水道水を利用すると若干の塩素臭さがお米に移ってしまうこともあるのです。
住んでいる地域で水の固さも異なります。
水には硬水と軟水があり、地域ごとにミネラル分が多かったり、少なかったりするのですが、決まった水を使うことによって安定した味と炊きあがりになるでしょう。
お米の研ぎ方
最近では無洗米と言って、研がなくてもそのまま使うことができるお米も出ていますが、それでも一度は軽く洗ったほうが良いです。
ザルに入れたお米を、水をためたボウルに浸します。
軽く1,2回混ぜたら、すぐに水から取り出します。
重要なのは最初の浸水を手早く行い、長時間水につけないことです。
お米は水に浸った瞬間から吸水を始めてしまうため、例えばボウルとザルを重ねた状態で水を出しながら洗米してしまうと、
糠やゴミを含んでいる水も一緒に吸水してしまいます。
そうならないために、最洗米するときは先に水を張っておくことが重要なのです。
すすぎが終わったら素早くボウルに新しい水を貯め、洗米の準備をします。
洗米では爪をザルに立てるような手の形にし、優しく混ぜていきます。
力の入れ具合も重要です。
お米を研ぐときに白いモヤモヤが出なくなるまでしっかり洗おうとする人もいますが、それはかえって逆効果です。
力を入れて研いでしまうと、お米とお米がぶつかり合うことでひびが入ってしまい、おいしく炊くことができなくなります。
ひび割れたお米が多くなると、べっちょりとした炊きあがりになってしまうこともあるでしょう。
白いモヤモヤが出ているのが気になるかもしれませんが、10回程度かき混ぜるだけで十分なのです。
この工程を3,4回程度行います。
もちろん炊くお米の量によって必要な洗米は変わってきますので、量が多ければもう少し多めに洗米をすると良いです。
無洗米の場合はかき混ぜる回数を減らし、さっと流す程度でも大丈夫です。
普段使っているお米の種類に合わせるのも良いでしょう。
加水の重要性
お米は水に浸かっていると、どんどん水分を吸水してしまいます。
そのため洗った後はすぐにボウルから離し、水がたれなくなるまで水を切ります。
このときにザルを傾けておくと水切れがよくなりますし、軽く振ると素早く水切りができるでしょう。
自然に水を切る場合は2分程度置いておくと良いです。
準備の終わったお米は炊飯器のお釜に移します。
準備したお米の量に合わせて、炊飯器のお釜に書かれている目盛りのところまで水を入れます。
お米が炊飯器の中で偏っていて、水を入れたときに頭が出てしまっている状態だと、正しい水量を入れることができません。
なるべく平らになるようにトントンと叩いて均すようにしましょう。
人によっては柔らかめのお米が好きだったり、硬めのお米が好きだったり、好みは分かれます。
好みに合わせて水分量は調整しても良いですが、おいしい炊き方のコツは、しっかりと吸水させてから炊くことです。
お米を水に浸して吸水させることを浸漬と言いますが、最初の30分で急速に吸水し、2時間くらい経つと飽和状態になります。
飽和状態になってから炊いたほうが、芯からふっくらとした炊きあがりになるため、おいしく感じるでしょう。
炊飯器の中には早抱きモードがあり、忙しい人にとっては便利な機能かもしれません。
しかしこの炊き方と早抱きで比べてみると、同じお米を使っていてもお米のふっくらとした感じやべたつきは全然違ったものになります。
忙しい時に2時間もお米に吸水させるのは難しいかもしれませんが、おいしい炊き方として覚えておいて損はしません。
炊きあがったあとにすべきこと
吸水が完了したら炊飯器のボタンを押して炊飯を開始してください。
炊飯器の種類やお米の量によって、炊きあがるまでの時間は変わってきます。
炊飯器にもIH、圧力IH、マイコン、ガスなどいくつか種類があり、炊飯器自体の値段や炊きあがったあとのお米の味に大きな違いが出てきます。
炊飯器の種類によって火力が異なり、この中でも圧力IHが最もおいしく炊くことができます。
お米の味にこだわりたい人は圧力IHの炊飯器を購入してみるのも良いでしょう。
炊き方が一緒でも炊飯器の種類が違うだけで味は大きく変わってきます。
圧力IH炊飯器
そして炊きあがったあとのごはんの扱い方も重要です。
炊飯完了後、自動的に保温モードになるものもあります。
保温モードがあることでいつでも温かいごはんを食べることができますが、一番おいしいのは炊きあがった直後です。
すぐにフタを開けてごはんをほぐしましょう。
蒸気を飛ばすことで空気が入り込み、食感も良くなります。
また、使うしゃもじは事前に水に浸しておくと良いです。
そうすることでお米がしゃもじにつきにくくなるからです。
しゃもじで炊飯器の中のお米を十字に切り、シャリ切りをします。
シャリ切りと聞くと寿司飯のためのものと思う人もいるかもしれませんが、普通の白米でも重要な工程です。
時間が経ってからほぐしても台無しになってしまうので、できるだけ早くこの作業をすることが大切です。
ごはんの粒をつぶさないように釜底から持ち上げ、まんべんなく空気を入れるようにしてください。
余分な蒸気を飛ばすことが重要です。
もししばらく保温状態にしたい場合は、なるべくお釜からお米をはがし、中央にまとめておくと良いでしょう。
お米は日本の味
正しい炊き方をするだけでごはんの味は大きく変わってきます。
安いお米や安い炊飯器を使っていても、正しい炊き方をすれば、高級な炊飯器を使っているのと同じくらいの味を引き出すことができるのです。
それだけ炊き方にこだわることは重要です。
お米は日本人の主食です。
おいしく炊く方法をしっかり身に着けておけば、ごはんの時間も楽しくなるでしょう。
炊き方をマスターしたら、別の種類のお米や炊飯器の買い替えに挑戦してみるのも良いかもしれません。