現在、縦型とドラム式に大きく二分される洗濯機は、安いものでも数万円、高いものでは20万円を超えるものまであり、気軽に買い換えができるものではありません。
だからこそ、購入するときに悩んでしまう人も多いでしょう。
縦型とドラム式どちらにするか迷っている方に向けて、それぞれのタイプのメリットやデメリットについてまとめました。
洗濯機の購入前にぜひチェックしてみてください。
目次
縦型洗濯機のメリット・デメリット
縦型洗濯機は従来からあるタイプで、二槽式洗濯機に対して「全自動洗濯機」として世に出てきた洗濯機です。
洗濯槽が縦型で、洗濯物は上から入れます。縦型洗濯機のメリット・デメリットをみていきましょう。
メリットは洗浄力が高く省スペースで比較的安価なところ
縦型洗濯機のメリットは、洗浄力の高さです。
たっぷりの水を撹拌して洗剤を泡立たせながら洗濯物を「こすり洗い」するため、泥汚れなども落としやすいのが特徴です。
また、洗濯槽が縦型であるため本体がスリムで、設置面積が比較的小さいのも魅力のひとつ。
洗濯機置き場周辺を広く使えるほか、ひとり暮らしにも重宝します。
価格もドラム式に比べて低めに設定されているので、手が届きやすいでしょう。
デメリットは節水性がいまいちで衣類が傷みやすいところなど
縦型洗濯機のデメリットは、たっぷりの水で洗うため節水性に劣るという点です。
また、こすり洗いをするため衣類が絡みやすく、ドラム式に比べて傷みやすいといえます。
さらに、毛布などの大きな洗濯物の場合、上から出し入れしにくいのも縦型ならではのデメリットです。
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ドラム式洗濯機のメリット・デメリット
ドラム式洗濯機は、洗濯槽が横向きや斜め向きに設置されているタイプです。
洗濯物は、洗濯機の正面から入れます。ドラム式洗濯機のメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリットは節水性が高く衣類に優しいところなど
ドラム式洗濯機は、洗濯槽の回転軸が横または斜めとなるため、回転とともに洗濯物が持ち上げられて落ちるという「たたき洗い」で汚れを落とします。
こすり洗いに比べて衣類の傷みが少なく、また水も少量ですむので、節水性が高いといえます。
さらに、乾燥機が付いているので、洗濯物を干す手間も省けます。
縦型洗濯機にも乾燥機の付いているタイプがありますが、洗濯物が上から下にふんわりと落ちるドラム式のほうが衣類の隅々にまで温風が行き渡るので、短時間でしっかりと乾きふんわりと仕上がります。
朝セットすれば、帰宅後に洗濯物を取り出してたたむだけなので、かなり手間が省けます。
小さい子どものいる家庭や仕事で忙しい家庭などにとくにぴったりだといえるでしょう。

また、ドラム式洗濯機は蓋が手前に付いているため、本体上部に物を置くことができます。
これは意外に便利なポイントで、本体ギリギリの高さに棚を設置することも可能です。
ただし、洗濯中は本体が振動するので、直接本体に置く場合は、置いたものが落ちてこないようにする、洗濯中は置かないなどの工夫が必要でしょう。
デメリットは相当の設置スペースが必要で価格が高いところなど

ドラム式洗濯機は、縦型に比べて設置面積が大きいうえ、洗濯槽の蓋が手前に開くため、その分のスペースも確保しておく必要があります。
最近ではコンパクトタイプも出てきていますが、やはり縦型よりスペースを取ってしまいます。
なお、少ない水で洗うため、洗剤の泡立ちによる洗浄力が縦型ほど期待できないという声もあります。
とはいえ、温水で洗うなど各社とも汚れ落ちを高めるための工夫はしっかりとされているので、よほど古い機種でなければ気にしなくてもよいでしょう。
ただ、少ない水で洗うことによる注意点として、色移りしやすいということが挙げられます。
そのため、ドラム式洗濯機で洗う場合は、縦型以上に白物と色柄物をしっかり分けて洗うことが大切です。
細かい点でいえば、洗濯の途中で蓋を開けて洗濯物を追加することができない点を不便に感じることがあるかもしれません。
それをデメリットと感じる場合は、洗濯槽が斜めになっているタイプを選ぶといいでしょう。
縦型に比べて価格が高めである点もデメリットのひとつで、なかには30万円を超えるものもあります。
当店で人気の「ドラム式洗濯機」
子どもの年齢やライフスタイルで縦型かドラム式かを決めるのもアリ
縦型・ドラム式それぞれのメリットとデメリットはわかっても、いまひとつ決め手にならないという場合は、子どもの年齢やライフスタイルで決めるという手もあります。

たとえば、保育園児を持つ共働き家庭の場合、1日に数組の子ども用の着替えが必要となるため、毎日のように洗濯しなければなりません。
また、所有する服の枚数が少ない場合はすぐに乾かす必要があったり、干す時間さえ惜しいほど慌ただしかったりすることも考えられます。
その場合、乾燥までしっかり一気に済ませられるドラム式洗濯機がおすすめでしょう。
小学生以降の子どもであれば、どろんこになって遊んだり、部活で汗や泥がたくさん付いた服を持ち帰ったりということが日常茶飯事になります。
その場合、たっぷりの水で洗剤を泡立たせてしっかり洗える縦型洗濯機が適しています。
なるべく早く乾かしたい場合は乾燥機付きを選び、ある程度乾かした状態で干すようにすれば、翌朝には着ていけます。
子どもがいない家庭であれば、ライフスタイルやこだわりにあわせて選ぶとよいでしょう。
乾燥機にかけられない衣類を多く持っている場合や、外干しにこだわる場合は縦型がおすすめです。
服が汚れる仕事に就いていたり、ペットを飼っていて服によく毛が付着したり、在宅介護をしていて汚れだけでなく臭いも付いてしまったりという場合も、洗浄力の高い縦型のほうが適しています。

一方、洗い方や干し方などにあまりこだわりがなく、とにかく洗濯の手間を減らしたいという場合は、ドラム式がおすすめです。
花粉の付着や空気の汚れが気になるから外干ししたくない、部屋干しも臭いが気になるので避けたい、干すときに場所を取るタオル類を多く洗濯するという場合も、しっかり清潔に乾燥できるドラム式がぴったりです。
また、高齢になって洗濯の作業が大変に感じるようになってきたという人にも、手前から出し入れができ、干す手間も省けるドラム式は重宝するでしょう。
このように、ライフスタイルや洗濯のやり方・こだわり方は各家庭によってさまざまなので、まずは優先したい点を明確にして選ぶことが重要です。
縦型もドラム式も選ぶポイントは「容量」「本体サイズ」「メンテナンスのしやすさ」の3つ
縦型とドラム式のどちらにするかを決めたあとも、まだまだ選ぶポイントは残っています。
ここでは、洗濯機を選ぶ際に押さえておくべきポイントとして、「容量」「本体サイズ」「メンテナンスのしやすさ」の3つをご紹介します。
容量は家族の人数と洗濯の頻度で決める
1日の洗濯物の量は、一般的に1人1.5kg前後だといわれています。
毎日洗濯をする4人家族であれば、6kgの容量の洗濯機を選べばよいということです。

この数字を目安として、毎日ではなく週末にまとめて洗濯する、あるいは小さい子どもや部活をがんばる学生がいるため洗濯物が多い、毛布も自宅で洗いたいなど、各家庭のスタイルに合わせた容量のものを選びましょう。
その場合、目安量から計算した容量より、少し大きめを選ぶことをおすすめします。
なお、ドラム式や乾燥機付き縦型の場合、乾燥容量が洗濯容量とは異なることに注意が必要です。
ほとんどの乾燥機付き洗濯機は、洗濯容量より乾燥容量のほうが少なく設定されています。
そのため、洗濯から乾燥までをすべて自動で行いたい場合は、乾燥容量に合わせて選ぶことをおすすめします。
大きさは設置場所と搬入経路をきちんと確認して決める
洗濯機のサイズが設置場所に収まる大きさであるかを確認することはもちろんですが、意外と忘れがちなのが、玄関やエレベーター、階段、廊下など搬入経路の確認です。
玄関やエレベーターの扉の幅が狭くて洗濯機が入らなかったり、階段の折り返し地点でつかえてしまったりといったケースもあるので注意してください。
目安としては、本体サイズ+10cm以上のスペースがあれば搬入可能です。
また、洗濯機によって本体周囲にどの程度のスペースが必要かということが決められています。
洗濯機本体のサイズを見て「設置できる」と判断するのではなく、周囲の必要スペースもきちんと考慮してください。
分からない場合は、販売店に問い合わせるか、取扱説明書などで確認しましょう。
さらに、マンションなどで防水パンが設置されている場合は、その中に洗濯機の足がすべて収まるかどうかもチェックしましょう。
併せて、給水用蛇口の場所や排水ホースを接続する場所なども不都合がないか確認しておくと安心です。
フィルターのお手入れがしやすいものがおすすめ
縦型にもドラム式にも糸くずフィルターが付いており、フィルターにたまったゴミを毎回きちんと取り除いておく必要があります。
また、ドラム式や乾燥機付き縦型の場合は、乾燥機を使うたびに乾燥フィルターのお手入れも必要です。
これらのフィルターが、取り外しや洗浄のしやすい構造であるかをきちんと確認することもポイントです。