快適に室内で過ごすために欠かせないエアコンですが、新しいものに交換する時や古いエアコンを処分したい時などはエアコン取り付け・取り外しをする必要があります。
エアコン専門業者や家電量販店など様々な業者に相談することが一般的ですが、今回はエアコン取り外しを業者に依頼する場合の費用相場やかかる時間、自分で取り外しは可能かなど詳しい内容を解説していきます。
エアコンの取り外しにかかる費用の相場はどれくらい?

室内に設置されているエアコンの取り外し工事ににかかる費用の相場は依頼する業者によって違いがありますが、エアコンを取り付けするよりも取り外しにかかる作業の方がシンプルであるため、費用相場はおよそ5,000円~10,000円と取り付け時よりも安くなる場合が大半です。
通常エアコンを取り外す場合、同時に屋外に置いてある室外機も運べる状態にしてもらうことが大半で、エアコンと室外機の2つの作業を含めた費用を支払うことになります。
また取り外し工事にかかる費用の他に、エアコン工事業者の交通費を負担しなければいけない場合もあるため、遠方の業者に依頼をすると当日思わぬ出費となる可能性も高く、コストを抑えたい場合はできる限り地元で取り外し作業を行ってくれる業者に依頼をすることが大切です。
エアコンの取り外し工事には、設置状況によっては追加工事が必要となる場合があります。
  そうなると料金が加算されて予想以上の出費に繋がる可能性が高くなるので注意が必要です。
一般的に工事の際には室外機と室内機が同一階にあること、室外機がベランダや地面に置かれていることが条件ですが、室外機が壁掛けや屋根置きといった特殊な場所に設置されている場合は追加費用が発生する可能性があり、軒下に吊り下げて設置する天吊りの室外機においてもオプション料金扱いとなります。
こういった場合の追加費用の目安は1,000円~3,000円なので、工事を依頼する際には事前に必ず追加費用の確認・問い合わせを行いましょう。
エアコンの取り外しにかかる時間の目安とは

いざエアコンの取り外し工事を依頼する際に、依頼者はどのくらい時間を空けておくべきか、外出の予定がありそうな日に工事を依頼しても問題はないかなど不安に感じる方も多いでしょう。
一般的なエアコン取り外し工事であれば約30分ほどで完了する場合が多いのですが、設置状況が特殊であったり天候によって作業時間は左右されるため、業者が来てから作業を終えて帰るまでの時間は1時間程度を想定しておくと安心です。
特殊な設置状況であったり、室内機から室外機までの距離が長い場合は作業にかかる目安として2~3時間程度かかるといわれており、室外機を屋根の上に設置しているならば足場を組む時間も必要となるため、さらに多くの時間がかかることを想定しておく必要があります。
作業時間を短縮したいのであれば、室外機の周りに置いてあるものを避けておくなど業者が作業しやすい状態にしておくとよいでしょう。
エアコン取り外し工事の依頼はどこに頼む?

エアコンの取り外し工事は、エアコン専門業者の他に家電量販店、引越し業者にも依頼することが可能です。
そこで各業者に依頼した場合の特徴や費用相場を比較して、依頼先を選ぶようにしましょう。
まずエアコン専門業者の場合工事にかかる費用相場は5,000円~10,000円であり、専門業者に依頼することで引越し業者や家電量販店など、他の業者を通す中間手数料が発生しない特徴があります。
余計な費用が発生しないので他の業者と比較しても一番安く済む可能性が高い・専門業者であるため一連の作業が丁寧といったメリットがあります。
取り外したエアコンをそのまま処分したいという場合は不用品回収業者に依頼する方法もあり、エアコンの状態が良ければ再販目的と不用品を引き取っている業者も多いため、エアコン工事業者に依頼するよりも安く取り外しから処分まで依頼できる場合があります。
不用品回収業者に依頼した場合の費用相場は5,000円~8,000円程度であり、取り外しと処分を一緒に行いたい場合に便利です。
引っ越しに伴う取り外しならば、引越し業者に依頼をすることで取り外しから処分、移設までまとめて依頼することができます。引越し業者の場合は、取り外し作業だけなら5,500円からが費用相場で、取り外しから運搬、新居での取り付けまで依頼する場合は10,000円~20,000円程度かかります。
購入と同時に取り外しならば、家電量販店に依頼をすると古いエアコンの引き取りも一緒に行って4,000円~7,000円程度ですが、取り外しのみの依頼には受け付けていないことも多いので注意が必要です。
エアコン取り外しは自分でできる?

エアコンの取り外し工事というと、専門の資格に加えて知識や技術がないと難しいのではと思っている方は少なくありませんが、取り外し作業自体には特に資格は必要なく、取り外しの工程や事故のリスクを正しくおさえておけば行うことは可能です。
しかし、作業経験がある方や自信がある方だとしても作業には必ず危険が伴うため、可能な限り専門業者に依頼を推奨します。
作業の流れとしては、はじめに室外機のカバーを取り外し、パイプの接合部にある2本の銅線が繋がっていることが見える状態にしたら、ポンプダウンという作業に移ります。
ポンプダウンは配管内やエアコン室内機の冷媒ガス(フロンガス)を室外機側に集めて閉じ込めることで、ポンプダウン作業をせずに取り外しをすると冷媒ガスが大気中に漏れ出て環境汚染に繋がるので必ず作業を行いましょう。
次にエアコンを強制冷房運転を行うことで、ポンプダウンを行う時に冷媒ガスを循環させることができます。
強制冷暖房運転が開始したら、冷媒ガスを送る側のバルブキャップ(細い方の銅管)のナットを六角レンチで閉めてガスが室外機に戻るにします。
送り側の銅管のバルブを閉めると室内機と銅管内部の冷媒ガスが室外機に戻るので、そのまま2~3分ほど試運転させます。
運転が終わったら、室外機の受け側バルブを閉め、強制冷房運転を停止させたら室内機のコンセントを抜き室外機から銅管を外します。
後は室外機を撤去し電源ケーブルを処理したらドレンホースと銅管の切断、エアコン本体の取り外しと配管用の壁穴をパテで埋めれば完了です。
エアコンを自分で取り外す際の注意点

エアコンを自分で取り外す場合、注意すべきポイントが「室内機と室外機の撤去経路を確保する」ことです。
作業を行う場合取り外すことばかりを重視しがちですが、取り外した後にエアコンをどこに片付けるのか予め決めておくと作業がスムーズになります。
室内機と室外機は重量もあり1人で運ぶのは非常に難しいため、家族や知人の手を借りたり取り外した機器をどこに置いておくか、どこに持っていって処分するかなどを考え移動が1回で済むように計画を立てるようにしましょう。
また、「ポンプダウン」はエアコン取り外し中でも最も重要な作業ですが、冷媒ガスを取り扱うため取り扱いを間違うと爆発事故につながる危険があります。
爆発事故の原因には部品の劣化によりガス漏れを起こしているときに起こりやすく、ポンプダウン中に劣化した部分から大気が入り込むと冷媒ガスと混ざりあった状態で循環し室内機に到達します。
室外機にあるコンプレッサー部分は空気が圧縮されることで圧縮熱が発生するため、冷媒ガスと大気が熱に触れて発火するとディーゼル爆発という現象が起こります。
他にも取りはずしの際に破損し漏れ出したガスに引火したり、感電や接続部分のオイルに着火するといった事故が考えられるので、未然に事故を防ぐためにも自宅のエアコンが万全な状態であり、自分で取り外しが行えるかを判断しましょう。
また作業経験がある方や自信がある方も、作業時のケガには十分に気をつけ、もし不安を感じたり無理と判断した場合は作業をすぐに中止し専門業者に連絡・依頼することをおすすめします。
エアコンを取り外す場合のまとめ

エアコンの取り外しは業者に依頼して行う方法と、自分で取り外す2つの方法があります。
業者に依頼した場合の費用相場はおよそ5,000円~10,000円で、室外機の設置方法や場所によって追加料金が発生するので、必ず事前に見積もりを出してもらうことが大切です。
取り外しに必要となる時間は30分から1時間程度であり、作業はエアコン専門業者の他にも、不用品回収業者や家電量販店で対応可能ですが、専門業者の方が品質に期待できます。
自分でエアコンを取り外すことも可能ですが、ポンプダウン作業は複雑で難しいため作業に不安を感じるようならば業者依頼をすると安心です。


