冷蔵庫の冷凍室に霜が発生したものの、どのように取り除くべきか分からないという方は非常に多いかと思います。
ここでは、冷蔵庫に霜が発生する原因や霜を取る方法、霜取りを楽にする裏技を解説するとともに、霜取りが不要な冷蔵庫をご紹介していきます。
冷蔵庫の冷凍室に霜が発生する原因とは?
冷蔵庫の冷蔵室に霜が発生する原因は、大きく4種類に分けられます。
一つ目の原因は結露です。冷凍室の扉を開閉すると、外部の空気が庫内に入って冷やされることで冷凍室の内壁に結露が発生します。この状態で冷凍室の扉を閉めると、内壁に付着した水分が凍結して霜につながります。そして、冷凍室の扉を繰り返し開閉することにより、既存の氷の粒が徐々に大きくなって厚い霜が形成されるのです。
二つ目の原因は冷風出口の詰まりです。冷蔵庫には、冷蔵室・冷凍室ともに冷風出口(内部を冷やすための空気の出口)が設けられているのですが、この出口がホコリやゴミなどで詰まっていると冷凍する能力が低下します。その結果、庫内の内壁に結露が発生しやすくなり、霜につながるというわけです。
三つ目の原因はドアパッキンの劣化です。冷蔵庫のドアには、内部の冷気が外部に逃げないようにするためにゴムパッキンが設けられています。このパッキンが劣化して歪みや割れが生じると、庫内の冷気が逃げてしまい霜が大きくなる恐れがあります。なお、劣化だけでなくパッキンが汚れていたり、食品の袋がドアとパッキンの間に挟まっていたりする場合でも、庫内の冷気が逃げてしまうので注意が必要です。
四つ目の原因は冷蔵庫本体の性能低下です。一般的に冷蔵庫の寿命は10年前後が目安とされており、製造から10年程度経過すると徐々に性能が低下していきます。自動霜取り機能が搭載されているモデルでも、性能低下により霜が発生しやすくなることもあります。そのため、購入から10年ほど経過した際に、以前と比べて霜が発生しやすくなったと感じた場合は買い替えを検討した方が良いでしょう。
冷蔵庫の霜を取る方法
冷蔵庫の冷凍室に発生する霜は、放置するとドアの開閉がスムーズに行えなくなるとともに、冷凍効率が低下して電気代の上昇につながる恐れがあります。そのため、霜の発生を確認した場合は早めに取り除いておくことが大切ですが、軽度の霜であれば比較的簡単に除去することが可能です。
まず、冷凍室内の食品をクーラーボックスなどに移し、40℃ほどのお湯に浸して軽くしぼったタオルで、霜を拭き取っていきます。霜が取れるまで何度もお湯に浸して拭き取っていきますが、完全に除去できたら乾いたタオルで乾拭きして、食品を元に戻して完了です。
また、冷蔵庫の電源を落とすという方法もあります。まず、冷蔵室と冷凍室の食品を全てクーラーボックスなどに移し、冷蔵庫の電源を抜きます。あとは、全ての扉を開けた状態でしばらく放置し、霜が完全に溶けたことを確認できたら乾いたタオルなどで庫内を拭き取ったら完了です。
厚い霜が形成されていたり、冬場で扉を開けておいても中々溶けないという場合は、プラスチック製やシリコン製のヘラを使いましょう。冷蔵庫の電源を抜いて、扉を開けた状態でしばらく放置した後、下にタオルなどを敷いた上でヘラを使って霜を削り取っていきます。完全に取れたら乾拭きをして完了となりますが、金属製のヘラを使うと庫内を傷つけてしまう恐れがあるので注意が必要です。また、ヘラが見当たらないという場合は、プラスチック製の定規でも代用できます。
なお、霜を取る際はドライヤーやドライバーなどを使わないようにしましょう。ドライヤーを使えば霜を簡単に溶かすことは可能ですが、ドライヤーの熱によって庫内が変形して冷凍機能の低下につながる恐れがあります。ドライバーやアイスピックなどの先端が鋭い道具を使ってしまうと、庫内を傷つけたり冷却用のパイプに穴を空けてしまう恐れがあるので注意が必要です。
冷蔵庫の霜取りを楽にするために意識すべきこと
冷蔵庫の霜取りは手間がかかる作業なので、日頃から霜がつきにくくするための予防をしておくことが大切です。
具体的な予防方法としては、まず扉を開けている時間を減らすことが挙げられます。扉を開けている時間が長くなるほど、外部の空気が庫内に侵入して外気に含まれる水分が凍りやすくなります。そのため、料理の際に食品を取り出す際や、買い物後に食品を詰め込む際は、こまめな開閉を意識するとともに、長時間扉を開けっ放しにしないことが大切です。
また、不必要な開け閉めをしないことも重要で、必要なものをあらかじめ考えてから一度に取り出して扉の開閉回数を減らすことも意識しましょう。
加えて、ドアパッキンの掃除も定期的に行いましょう。濡れた雑巾やスポンジなどでパッキンの汚れを拭き取るとともに、綿棒や歯ブラシなどで溝をキレイにしておけば、冷凍室の密閉が保たれて霜が発生しにくくなります。
温かいものを冷蔵庫に入れないこともポイントのひとつです。温かいものを冷蔵庫に入れてしまうと庫内で結露が発生しやすくなるので、温かいものは可能な限り冷ましてから入れるようにしましょう。また、ピッタリとラップをしたり、タッパーなどのフタ付きの密閉容器を使用したりして、庫内で発生する水分量を抑える工夫をすることも重要です。
さらに、食品の詰め込み過ぎも避けましょう。冷蔵庫に食品を隙間なく詰め込んでいるという方も多いかと思いますが、食品を詰め込み過ぎると庫内で冷気が循環しにくくなり、霜が発生しやすくなります。詰め込む量を庫内の奥が見える程度に抑えれば、冷気がきちんと循環するので霜の発生を予防することができます。
霜取り不要のおすすめ冷蔵庫3選
冷蔵庫と一口に言っても、大きく直冷式とファン式の2種類のタイプに分けられます。直冷式は、安価に購入できるものの、霜が発生するというデメリットがあります。
一方のファン式は直冷式と比べると価格が高いものの、自動霜取り機能が搭載されているので霜取りの手間がかかりません。そのため、冷蔵庫のお手入れの手間を減らしたいという方にはファン式がおすすめです。
現在、ファン式の冷蔵庫は各メーカーから販売されていますが、その中でもおすすめなのがシャープの「PLAINLY SJ-GD15G」、パナソニックの「NR-B17DW」、三菱電機の「MR-P15G」の3つです。
シャープの「PLAINLY SJ-GD15G」は、容量152Lのプラズマクラスター搭載冷蔵庫です。クリーンな冷気が循環して庫内に浮遊する細菌や細胞表面のタンパク質を分解・除菌してくれるので、庫内が清潔に保たれます。また、ドアの開閉方向を自由に変えられる「つけかえどっちもドア」が採用されているとともに、トップテーブルは100℃まで耐えられるので冷蔵庫の上に電子レンジを置くことも可能です。
パナソニックの「NR-B17DW」は、容量168Lの冷蔵庫で、冷凍庫も1人暮らしには十分な34Lあります。LED照明が採用されているので庫内は明るく、ガラストレイが採用されているので汚れても落としやすいという特徴があります。また、シンプルなデザインとなっているので、どのようなインテリアの部屋にもマッチしやすいのも魅力です。
三菱電機の「MR-P15G」は、容量146Lの冷蔵庫です。冷蔵室と冷凍室の温度調整を別々に行うことが可能で、ドアを全開にせずともドアポケットの横から奥のドリンクが取り出せる「ヨコ取りポケット」が採用されています。また、庫内LEDや掃除が楽なガラストレイが採用されているとともに、上部に電子レンジを置くことも可能です。
まとめ
今回は、冷蔵庫の霜が発生する原因や霜取りの方法を解説しましたが、冷凍庫に発生した霜を放置すると電気代の上昇につながる恐れがあるので、こまめに掃除して取り除いておくことが大切です。
また、冷凍庫の霜はドアの開閉などに気を配ることで発生を抑制できますが、霜取りにはある程度の労力が必要です。
そのため、霜取りの負担を軽減したい場合は、自動霜取り機能が搭載されているファン式の冷蔵庫を導入することをおすすめします。

