蒸し暑い季節や寒い冬に大活躍するエアコン。
放置しておくと、フィルターにたまったホコリによって空調効率が悪化してしまうので、エアコンを本格的に稼働させる前に洗浄しておくと快適に過ごせます。
しかしどう洗浄すればいいのか、迷ってしまう方も少なくありません。
ここでは、自分でできるエアコン洗浄について、必要な道具から、清掃の手順まで詳しく解説していきます。
エアコンの洗浄が必要な理由

エアコンを定期的に洗浄しておくと電気代の節約になります。
エアコンにはホコリをろ過するためのフィルターを設置していますが、長い間使っているとたくさんのホコリがついて目詰まりが発生します。
この目詰まりがエアコンの送風を遮ってしまい、室内全体の冷房効率が低下します。
以前は室内全体を冷房するのに数分しかかからなかったのに数十分かかってしまうようになり、結果的に電気代の負担が増してしまいます。
フィルターの目詰まりを掃除するだけでも省エネになるため、簡単ながら大きなメリットを感じることができます。

また、フィルターの目詰まりを掃除するとエアコンの寿命を延ばすことができます。
目詰まりのあるフィルターだとエアコンに余計な負荷がかかるため、冷暖房効率が悪くなるだけでなくトラブルや故障の原因ともなります。
送風効率を確保すれば、より長くエアコンを利用できます。

エアコンを長く使用していると嫌なニオイを感じる場合があります。
エアコンは室内の空気を取り込み、熱交換器を通った際に熱を奪ったり、熱を与えてから部屋に送風します。
しかし、取り込んだタバコや汗などの生活臭が、エアコン内部に汚れとして付着してしまうことがあります。
また、カビが発生するとカビ臭いニオイが室内に漂うようになり、空気の清浄性が失われます。
このような状態を放置すると頭痛などの体調不良や、気分が悪くなるなどの健康への影響もでるため、エアコンの洗浄はとても大切です。
室内を快適にしてくれるエアコンを使用し続けるためには、定期的な洗浄が決め手になります。
カビ臭さを消臭することで快適さと衛生的な室内空間に貢献するだけでなく、効率的な送風により電気代の節約にも役立ちます。
エアコンの洗浄に必要な道具

近年、自分でエアコンの洗浄を行う方も増えてきました。
業者に依頼するよりも経済的な負担を削減できるだけでなく、定期的に自分で掃除するとエアコンに対する愛着も湧いてきます。
自分でエアコンクリーニングするのに何をどうすればよいのか、迷ってしまう方も多いでしょう。
ここではエアコンクリーニングに欠かせない道具を紹介していきます。

まずは、エアコンカバーを開閉する方法を記載した説明書と掃除機を用意しましょう。
次に、本体の汚れやホコリを拭うためのモップや雑巾などのそうじ用具を用意します。
また、水洗いするときに使うゴム手袋や、フィルターの目詰まりや汚れを落とす中性洗剤とカビ対策になる除菌用アルコールも必要です。
細かい網目を掃除するための歯ブラシやスポンジ、狭い隙間煮詰まった汚れを取り除けるつまようじと綿棒があると便利です。
また、部屋や床を汚さないために作業スペースに敷いておく新聞紙などの紙類、水気を拭きとる乾いた雑巾やタオルを用意しておくと役立ちます。

さらにエアコンの吹き出し口をキレイにするのに役立つ、お掃除棒(割り箸にキッチンペーパーを巻いてゴムでとめたもの)を試してみてください。
エアコンクリーニングに必要な道具は、たったこれだけです。
すでに自宅にある場合は有効活用してください。
まだ持っていない場合は、100均やドラッグストアやホームセンターを訪ねてみてください。
紹介したエアコンクリーニングに必要な道具は、どこでも手に入るものばかりなので簡単に集められます。
業者に依頼すると軽く1万円を超えますが、自分でエアコンを掃除すれば2000円前後でできるのでお得になります。
エアコンの使用率が高くなる季節の前に掃除をしておけば、快適に過ごせます。
エアコン洗浄の手順

エアコンのクリーニングを行う前に、作業するスペースに新聞紙や紙を広げておきます。

次にエアコンの電源プラグをコンセントから抜いてください。
天井付近にあるため椅子などを使うと良いでしょう。

本体の上面にたまったホコリをモップや雑巾でキレイに落としてからカバーを開けます。
この際、必ずエアコンと真正面で相対するような位置を取り、足元が滑らないようにスリッパや靴下を脱いでから作業してください。
メーカーごとにエアコンカバーの開閉方法が違っているため、事前に取扱説明書で確認しておきましょう。
エアコンカバー開閉したらフィルターにたまったホコリを掃除機で吸い取りますが、ホコリの量が少ない場合は省いても構いません。
ホコリが舞い散らないようにゆっくりとフィルターを取り外して新聞紙の上におき、掃除機で可能な限りホコリを吸い取ります。
このときフィルター表面から掃除機をかけると効率が良いです。

ホコリ掃除が終わったらフィルターの水洗い開始、シャワーの水圧で汚れを落としてから中性洗剤をつけて洗っていきます。
細かい場所は爪楊枝や綿棒を使ってキレイにしましょう。
裏面からシャワーをかけると汚れを落としやすいです。
キレイにしたら中性洗剤の泡がなくなるまでしっかりとシャワーで注ぎ、乾いた雑巾やタオルで水気を拭き取り、直射日光にさらして完全に乾燥させます。
完全に乾燥していない状態で本体に取り付けるとカビの原因になるため注意してください。
また乾燥した後に除菌用アルコールを全体にまんべんなく吹き付け、一晩おいてから設置するとカビの繁殖を抑制できます。

フィルターを乾燥させている間に送風口のルーバーを掃除しておきましょう。
ルーバーは送風口の角度を調整するフィンとして利用されており、ホコリが溜まりやすくなっています。
ルーバーの掃除が終わったらフィルターを設置して完了です。
エアコン洗浄をする際の注意点
エアコン洗浄をする際は、以下のポイントに注意してください。
まず、エアコンの電源プラグを抜いたことを必ず確認してから掃除を開始します。
掃除中に勝手に稼働してしまうなどのトラブルを防ぐために欠かせません。
安全なエアコンクリーニングにするために、必ずチェックしておきたいポイントです。
また、100均やドラッグストアで市販されている洗浄スプレーを本体内部に直接吹き付けないようにします。
落ちた汚れが内部に溜まってしまいカビの原因になったり、水分を排水するドレンホース詰まりの原因になる場合があります。
絶対にしてはいけないのが、電装部分(電気配線やモーター部品、電源プラグなど)に洗浄スプレーをかけることです。
様々な配線があるため通電してショートしたり、火災の原因になることもあるため避けましょう。

洗い終わったフィルターは、設置する前に必ず直射日光で乾燥させてください。
直射日光にあてると、細かい部分の水分を飛ばして殺菌もできるので、天気の良い日中に乾燥するのがオススメです。

フィルターの目詰まりを掃除する際は、歯ブラシなどの柔らかいものを使いましょう。
たわしや金属たわしなど硬いブラシでゴシゴシ洗ってしまうと網目部分を破損させる原因になります。
フィルターを設置して稼働させると異音の原因になったり、ホコリを取り除きにくくなってしまいます。
椅子を使う場合は、足元が滑らないように注意してください。
また、電源プラグを抜くときやカバー開閉する際に力を入れるため、しっかりとした足場を確保しておくと安心です。
意外に忘れやすいのが、送風口のルーバーの掃除です。
ルーバーにホコリが溜まっていると、稼働させた際にホコリも一緒に部屋内に舞い散るため、掃除するのを忘れないでください。
エアコン洗浄をしても嫌なニオイが消えない場合は、エアコン内部に汚れがこびりついていたり、カビが繁殖している可能性が高いです。
その場合は、ダスキンやユアマイスターなどの実績のあるプロのエアコンクリーニング業者に対応をお願いすることをおすすめします。
料金は、室内機のみや室内機・室外機の両方、標準エアコン・お掃除機能付きエアコンなどの掃除する範囲や機種によりますが、おおよその価格は税込10,000円~30,000円になります。
まとめて複数台の依頼をすると割引となるキャンペーンを実施している業者もあります。
また、オプションでカビの細菌や繁殖を防いでくれる「防カビ抗菌コート」を選べば、半年や1年ほど効果は持続します。
部屋の空気をキレイにする!エアコン洗浄
エアコン洗浄について紹介してきました。
一見すると難しそうに見えるエアコンクリーニングは、実は思ったより簡単にできるため、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
蒸し暑い夏場や肌寒い冬場に快適な部屋にできるだけでなく、電気代を節約できるのでお財布にも優しくなります。
初めてのエアコン掃除だと手こずるかもしれませんが、手順を覚えてしまえば作業時間としては約40分~1時間ほどで完了できます。
週末や休日、祝日に合わせてエアコン洗浄をすれば、快適に、綺麗に生活できますよ。
それでも落ちない頑固な汚れや、内部にこびりついていたりする場合はエアコンクリーニング業者に連絡するとよいでしょう。