部屋の湿度を上げる加湿器や空気をきれいにする空気清浄機は、快適な空間づくりに欠かせない家電です。
近年は、両者の機能をいいとこ取りした一体型の「加湿空気清浄機」も登場しました。
ところが、実際に加湿空気清浄機を購入した方からは、「よくない」「買わない方がいい」といった意見もあるようです。
そこで、この記事では、加湿器と空気清浄機の一体型である「加湿空気清浄機」のデメリットについてまとめました。
デメリットだけではなく、メリットや選び方のポイント、おすすめの機種3選もご紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。
加湿空気清浄機のデメリット

加湿空気清浄機には、具体的にどんなデメリットがあるのかを解説します。
掃除の手間がかかる
加湿空気清浄機は使用するのに便利な一方で、掃除には手間がかかります。
本体だけではなく、集じんフィルターや脱臭フィルター、加湿トレーや給水タンク、ユニット部分など、加湿機能と空気清浄機能の両方に関わる箇所のメンテナンスをしなくてはなりません。
しかし、逆に考えるなら、加湿器と空気清浄機を別々で掃除する必要はないということです。
掃除そのものは面倒でもまとめて済ませられるので、ある意味ではメリットともいえるでしょう。
専用機より性能が低い傾向がある
すべての機種でというわけではありませんが、加湿空気清浄機は加湿と空気清浄の性能がどちらか一方に偏りがちです。
例えば、加湿を重視している機種であれば、空気清浄の性能は空気清浄機と比べて低い場合があります。
逆に空気清浄がメインの機種では、加湿の性能は加湿器と比べて低くなることが多いです。
加湿性能が低い割にタンクの水の減りが早いといった機種もあり、加湿器と空気清浄機を1台ずつ使用するよりもかえってストレスになる可能性があります。
故障時の影響が大きい
加湿器と空気清浄機が別々であれば、もしどちらかが故障しても、もう片方は問題なく使うことができます。
しかし加湿空気清浄機の場合は、もし故障して機器が動かなくなると、加湿も空気清浄もどちらもできなくなってしまいます。
修理や交換が完了するまでどちらの機能も使えないのは、大きなデメリットといえるでしょう。
お手入れを怠るとカビが発生しやすい
加湿空気清浄機には加湿ユニットが備わっているため、カビが発生しやすい環境にあります。
カビをそのままにしておくと、空気清浄機能に関わる集じんフィルターにも影響が出てしまうでしょう。
最悪のケースでは、フィルターごと買い替えないといけなくなるかもしれません。
カビを発生させないようにするためには、定期的なお手入れが大切です。
1台あたりの設置スペースが広い
加湿空気清浄機は加湿と空気清浄の2つの機能をあわせ持っているので、どうしても本体サイズが大きくなりがちです。
そのため、加湿器と空気清浄機の単体と比べると、1台あたりの設置スペースも広めに取らないといけません。
また、単体より重量も重くなりがちです。機器を移動させる頻度が高い場合は、キャスター付きのものを選ぶのがおすすめです。
加湿空気清浄機のメリット

一見デメリットばかりが目立つ加湿空気清浄機ですが、もちろん良いところもあります。
メリットをご紹介しますので、参考にしてみてください。
1年中活躍の場がある
加湿空気清浄機は、1年を通して活躍の場があります。
例えば、花粉が多く飛散する春なら、花粉対策として有効です。
夏場は空気清浄機能がサーキュレーターのような役割を果たすことで、エアコンの運転効率を上げられるでしょう。
また、エアコンが効いている部屋は意外と乾燥しがちなため、加湿機能が役立ちます。
秋は部屋の湿度を保ちつつ花粉やホコリなどをキャッチします。
乾燥しやすい冬は、やはり加湿機能が欠かせません。
このように、加湿空気清浄機は年間を通して活用できます。
スイッチ一つで機能を切り替えられるなど、操作が楽なのも嬉しいポイントです。
購入コストや電気代の節約になる
加湿空気清浄機の価格は幅広く設定されていますが、加湿器と空気清浄機を別々で購入するよりも安い場合があります。
また、別々で稼働させるよりも電気代を節約できることもあります。
専用機を1台ずつ置くよりはスペースの節約になる
加湿器と空気清浄機の両方を1台ずつ置くよりも、加湿空気清浄機を1台置いた方がスペースを節約できる場合があります。
使用するコンセントも1つだけで済むので、コードが絡まったり見た目がぐちゃぐちゃになったりする心配もないのが、嬉しいポイントです。
加湿空気清浄機の選び方

加湿空気清浄機の上手な選び方をご紹介します。
加湿性能を確認する
部屋をしっかりと加湿したい場合は、商品の「最大加湿量」を確認しましょう。
これは1時間あたりに空気中に放出できる最大水量のことで、「ml/h」という単位で表します。
最大加湿量の数値が大きいほど加湿能力が高いです。
しかし、部屋の広さに対して加湿能力が高すぎると、湿度が高くなりすぎてカビや結露の原因となってしまいます。
最大加湿量だけではなく、後述する「適用床面積」(適用畳数)もあわせてチェックしましょう。
適用床面積(適用畳数)を確認する
加湿空気清浄機を設置する際には、「適用床面積」(適用畳数)の確認が欠かせません。
機種によって異なりますが、加湿機能は空気清浄機能よりも適用畳数が小さいことが多いです。
そのため、空気清浄機能にあわせた適用畳数で選ぶと、加湿能力が足りず十分に加湿できないかもしれません。
加湿を重視したい場合は、部屋の広さにあった加湿機能の適用床面積で選ぶようにしましょう。
タンク容量を確認する
加湿機能をメインで使いたい方は、タンク容量の確認を忘れてはいけません。
連続で長時間稼働させたいなら、タンク容量4L以上のモデルがおすすめ。
大容量であれば途中で水の補給をしなくて済むので、自宅での作業中や眠っているときなども安心です。
フィルターの性能や数を確認する
機種によってフィルターの性能や数が異なり、それによって空気清浄のパワーも異なります。
近年の主流は、HEPA(ヘパ)フィルターというフィルターが搭載された加湿空気清浄機です。
HEPAフィルターは0.3μmの物質をキャッチできるのが特徴で、花粉より小さいウイルスやPM2.5などもしっかり捕集します。
タバコ臭やペットのアンモニア臭などが気になる方には、ニオイを除去する脱臭フィルターを搭載したモデルがおすすめです。
そのほかにも、長期間の集じん効果が期待できるTAFU(タフ)フィルターが搭載されたモデルなどがあります。
給水や手入れのしやすさを確認する
給水や手入れがしやすいかどうかも、チェックしたいポイント。
給水タンクは、注ぎ口が広くて持ち運びに便利な取っ手付きのモデルがおすすめです。
フィルターのお手入れ方法は機種により異なりますが、水洗いできるものや自動掃除機能が付いている便利なものもあります。
また、機種ごとにフィルターの寿命があるのでチェックしておきましょう。寿命が来たら交換が必要です。
加湿空気清浄機のおすすめモデル3選!

ここからは、加湿空気清浄機のおすすめを3つご紹介します。
SHARP KI-RD50-W

シャープが独自に開発した空気清浄技術「プラズマクラスター」を搭載した加湿空気清浄機です。
加湿機能や空気清浄機能のほかに除湿機能も付いていて、雨の日などの部屋干しの洗濯物をスピーディーに乾かします。
キャスター付きなので移動もラクラク。
加湿と除湿のトレーが一体化しているので、省スペースでお手入れも簡単です。
PANASONIC F-VXW70-W ナノイーX

HEPAフィルターを搭載した加湿空気清浄機です。
花粉やハウスダストの除去に強く、パナソニック独自の立体気流で大きめサイズの花粉もしっかり吸い込みます。
部屋をスピーディーに潤したいときには「お急ぎ加湿モード」が便利。
床上30cmのところに吸引口が付いているので、床上に溜まりがちな花粉やハウスダストを吸引できて、赤ちゃんやペットがいるご家庭にもおすすめです。
アイリスオーヤマ AAP-SH30

アイリスオーヤマ 加湿空気清浄機は、気化式の加湿空気清浄機として人気を集めています。
水を蒸発させて加湿するため、加湿器特有の白い粉が出にくく、タンクを丸洗いできます。
おやすみモードを搭載しており静音設計で睡眠時も安心。
スリムデザインで、省スペースで利用できるため、置き場所に悩むことはない製品です。
ダイキンの加湿空気清浄機

ダイキン独自の空気清浄化技術「ストリーマ」を搭載した加湿空気清浄機。
浮遊しているウイルスやカビ菌を抑制するほか、花粉やPM2.5、排ガスなどの同時対策も可能です。
内部構造にこだわったモデルで、広めに取られた吹き出し口とフィルター下部に設置されたファンによる防音効果が生まれ、運転音にも配慮された静音設計の加湿空気清浄機。
パネルを開けなくてもフィルター掃除ができること、10年間交換が不要なTAFUフィルターが使われていることなど、メンテナンスのしやすさも大きな魅力です。フィルターの寿命が近づくと、交換時期をお知らせしてくれます。
単機能空清と加湿空清どう選ぶ?
単機能の空気清浄機は、その名の通り「空気清浄機能」をメインに利用する製品のため、加湿器は別で購入する必要があります。
単機能の空気清浄機は、小型でデスクにおける卓上用の空気清浄機や、床置きの大きな部屋にも対応する製品まであります。
加湿器は別で購入する方は、単機能空清を選択して良いでしょう。
一方、加湿器と空気清浄機一体型は、どちらの機能も備えた便利アイテムです。空気清浄機の機能に加え、乾燥対策ができるので、冬のシーズンアイテムとして注目を集めています。
また、加湿と空気清浄が一つの製品で済むため、別々で購入する費用が抑えられ、スペースの有効活用をしながらお部屋の環境を整えられます。とくにリビングなどワンルームでの使用を考えている方にはお勧めです。
利用シーンも、乾燥するシーズンでは「加湿機能」を利用しながら空気清浄機能も併用し、花粉のシーズンでは「空気清浄機能」のみを使用できるので、重宝されます。
加湿器と空気清浄機 一体型のデメリットのまとめ

掃除の手間がかかる、加湿と空気清浄の性能がどちらか一方に偏りがち、故障時の影響が大きいなど、加湿空気清浄機には一見デメリットが多いと感じるかもしれません。
しかし、年間を通して活躍の機会があることや電気代を節約できることなど、嬉しいメリットもたくさんあります。
加湿空気清浄機を購入するときは、適用床面積(適用畳数)、加湿能力などを考慮して選ぶといいでしょう。
今回ご紹介したモデルも含めて、ぜひこの機会に購入を検討してみてください。